2019年07月25日 地教研管理人ブログ 地理教育研究会のホームページ管理人が書き綴っていたブログですが、ヤフーがサービスを終了したのでホームページを下記アドレスに移行しました。https://chikyouken.sakura.ne.jp/それにともない、ブログもこちらへ移行しました。それにともない、ブログも再開したいと考えています。
2014年04月07日 地理授業で使いたい教材資料 新刊 2014年4月発行 地理教育研究会編 『地理授業で使いたい教材資料』 2000円(A4版、184ページ)+税 本書の特色 ・中学、高校の地理の授業作りのヒントになる。 ・世界・日本の諸地域からどういったテーマを教材として扱えばよいのか、どういった資料を使えば地理を効果的に学べるのかがわかる。 ・地理の授業で使える参考文献等も豊富に提示し、教材研究に役立つ。 ・地誌学習の経験の少ない若い先生や地理の専門外の先生、大学で教職課程を受講する学生などに教材研究の指針となる。 本書の内容 ・中学・高校の地理の授業において、1時間(テーマによっては2時間)で扱う学習内容を見開き2頁で配列。 ・資料をもとに、日本や世界の状況や発展的内容を加えた解説を加えた。 ・テーマ数は87項目(系統地理15項目、日本地誌36項目、世界地誌36項目) 資料選択の基準 ①教科書では取扱われない資料だが重要な内容 ②地理学習の見方・考え方を変え(教員の既成概念を革新)、教材研究の手助けとなる資料 ③学習者の興味・関心を高めるような具体的な資料 ④現代世界や現在の日本社会を理解するうえで、“鍵”となる意味のある事実資料 ⑤大人が見てもなるほどと思う資料(生涯学習の観点)で地理のおもしろさ再発見につながる。 ⑥教職をめざす学生に授業づくりの視点を例示するものなど。 本書の構成と取り上げたテーマ 1 系統地理(15項目) 世界の地形/世界の気候/地球環境問題/世界の民族と宗教/世界の食料問題/鉱産資源をめぐる問題/資源利用の新しい動き/内戦と地域紛争/石油にかわるエネルギーの開発/都市問題/さまざまな世界地図/宇宙から見た地球/地図の発展と冒険家/国名から知る世界の国々/移民の歴史とそれにともなう課題 2 日本地誌(36項目) 九州地方 環境を守る循環型農業-シラス台地/水俣病と水銀汚染/大陸に近い九州北部/沖縄の産業/沖縄の基地 中国・四国地方 地域おこしの知恵-四国山地/鳥取の農業/高速交通網の発達とその影響-本州四国連絡橋を中心に/中国・四国地方の中核都市・広島 近畿地方 阪神工業地帯の発展と課題/大阪と神戸/津波と防災教育-和歌山県広川町/若狭湾に集中する原子力発電所/京都の街並みと景観保全 中部地方 多文化共生をめざして-東海地方の外国人労働者とその地域的特徴/北陸の都市-金沢・富山の街づくりと公共交通/日本経済をリードする中京工業地帯/中央高地の農業-長野県川上村 関東地方 日本の首都・東京/人口第2位の大都市・横浜/拡大する首都圏-多摩ニュータウンの現状と課題/鹿島臨海工業地域の変貌/下総台地の落花生栽培/関東内陸部の工業地域/つくばエクスプレス沿線を調べる(1)(2) 東北地方 りんご農家の今は-東北果樹農業の現況/三陸海岸の漁業と環境保全/地域文化と観光-フラワー長井線から地域再生を/現代に生きる地域文化・東北地方 北海道地方 アイヌの人たちの文化に学ぶ/北海道の稲作/「とる漁業」から「育てる漁業」へ-昆布養殖/豊かな自然を生かした観光 日本全体 日本の領土問題/地域ごとに異なる日本の人口問題 3.世界地誌(36項目) 東アジア アジア州への人口集中/韓国の工業の変化/中国の経済成長と資源・エネルギー/中国の経済成長と人びとの生活/台湾-意外と知らない隣の「地域」 東南・南アジア 南アジアの宗教/東南アジアの農業-ベトナムのコーヒーとマレーシアの油ヤシ/ASEAN の経済発展/インドの経済発展と産業 中央・西アジア、北アフリカ 西アジア・北アフリカで続く紛争/石油資源に恵まれる地域-西アジア/石油を運ぶあらたな「シルクロード」/ 中・南アフリカ アフリカ大陸の自然環境と人びとのあゆみ/ポストアパルトヘイトの南アフリカ共和国/カカオをめぐる問題/グローバル化とアフリカの資源/アメリカ大陸の民族音楽 ヨーロッパ・ロシア EUへ移動する人びと/ヨーロッパの民族・宗教,小さな国/市民がとりくむ環境対策-西ヨーロッパ/移り変わるヨーロッパの工業/多様なヨーロッパの農業/東ヨーロッパの現状/ロシアの人びとのくらし/ロシアの産業 北アメリカ アメリカの工業の変化/アメリカの農業政策/多様な民族からなる北アメリカ/ハワイ-太平洋の文化の交差点 中央・南アメリカ メキシコ-アメリカへの経済的依存/移民と日系人-ブラジル/ブラジルの経済成長と環境破壊/カリブ海地域の人びとのくらし オセアニア オーストラリアの社会-多文化主義の変質/オーストラリアの貿易の変化/太平洋の島々とくらし タグ :習いごと
2012年08月21日 アメリゴ=ヴェスプッチ アメリゴ=ヴェスプッチという人物は、高校の世界史の「ヨーロッパ世界の拡大」や「大航海時代」などの項目で、教科書では必ず取り上げられるので、知名度はそこそこ高い。また、アメリカという地名がアメリゴに由来することでも有名である。では、「彼は何をした人か」と問われると、なんやようわからんのである。 じつは16世紀はじめ、アメリゴの名で発行された『新世界』と『四度の航海』が、どちらもヨーロッパでベストセラーとなる。ヨーロッパから大西洋を渡って4度、中米から南米へ航海したときの探検記だったのである。ところが、この本の内容が事実なのかどうか、どうも怪しい。そのことでアメリゴは、死後、大陸の「発見者」の名誉をコロンブスから奪おうとしたと非難され、18世紀頃までは「名誉泥棒アメリゴ」とする評が根づいたのである。 18世紀後半になり、アメリゴの私的な4通の書簡が発見された。その内容は先の二著と重なるところが多い。このことからアメリゴを再評価する人も現れ、論争が起こり、いまなお決着がついていない。誰が、何の目的で『新世界』や『四度の航海』を書いたのか。そもそもアメリゴは本当に航海をしたのか、謎が多い。 本書では、アメリゴの生きた時代背景をわかりやすく解説している。そして16世紀に発行された著作を丁寧に分析して、アメリゴはどこまで探検し、そこをどのように解釈したのかを記している。また、地図も多く掲載され、ヨーロッパ人の世界認識の変化をわかりやすく解説している。さらに18世紀に発見されたアメリゴの4通の私信の翻訳文も掲載され、知名度のわりに知られていない、謎に満ちたアメリゴ=ヴェスプッチの実像に迫っている内容といえよう。 アメリゴ=ヴェスプッチ(人と思想シリーズ192) 篠原愛人・著 清水書院・刊 タグ :歴史